バンドマンがバンドの話をしないブログ(多分)

適当なことしか言いません。

秋M3新譜「ruins」セルフライナーノーツ

どうも、ふぁずです。

秋M3、スペースにお越し頂いた皆様ありがとうございました。ここ最近お騒がせしてしまったにも関わらず、温かい言葉を頂き嬉しく思います。


さて、セルフライナーノーツを書いていきましょう。



まず、今回の新譜の大きなポイントが1つあります。

今まで、クレジットの「コンセプト担当」の欄にメンバーの結月くんの名前がありましたが、実際には結月くんだけでなく、俺もコンセプトを考えてました。

しかし今回は、100パーセント結月くんだけでコンセプトを考えてくれました。(このアルバムが持つストーリー性、アルバムタイトル、曲タイトル、各曲のニュアンスetc...)

そして、結月くんからコンセプト案が来てから、俺がそのコンセプトを基に曲を作り上げ、あきさんにベースを弾いてもらい…という形で完成しました。

また、今回のジャケットの写真は俺が撮影したもの、ジャケットデザインはあきさんがやりました。


ちなみに今回の新譜のコンセプトは「衰退して行く都市」です。では、各曲の解説をして行きましょう。



1.Райский рай

タイトルは日本語で「失楽園」。この一曲目は、繁栄している都市を描いた曲です。では何故タイトルが失楽園なのか。

この都市は一見すると民の大多数が望んだ政策等が施行され、平和で不満の出ないような都市に見えるけれど、ごく少数の民には良いものに見えず、「こんな形での繁栄は望まない」「こんな都市は本当の楽園ではない」と思っているから。

まあ、こういう話、完璧に全員賛成なんて話はないですよね。

で、何も考えず賛成した民の気持ちを曲にしました。出来るだけ明るくバカっぽく。



2.光を射った君は今

この曲は、一見すると一曲目と地続きになってそうな明るめの曲ですが、平和な都市の影で弾圧される反対派を描いています。曲中のパーカッションは俺が演奏しました。

あとは、タイトルは某鬱ロックバンドの世界観を意識しました。



3.Hydra

平和な雰囲気は2曲めまで。この曲では、露呈する政府の黒い疑惑、そこを皮切りに民が政府に対して不信感を抱く様子を描きました。出来るだけゆったりで展開も抑揚をつけず退屈な雰囲気にしました。ストーリーのターニングポイントではあるけれど、登場人物には気持ち的な動きはあっても、物理的な動きはないはずですから。



4.影、消ゆ。

政府の黒い疑惑は、疑惑から確信に変わり、政府を擁護する人間はいなくなります。正に政府を守る影は消えたというわけです。

こうして政府vs全住民となり、抗争が始まります。その様子を描いたのがこの曲です。



5.ruins

そうして表題曲なわけですが、前半は抗争の激化、後半は抗争の収束を表現しました。お互いのエゴをぶつけ合った政府と住民は共倒れし、残ったのは、以前都市だった荒れ果てた街だけ。争いは何も生まないというわけです。



6.рай

この曲は、日本語で「楽園」というタイトルです。ストーリーの中心である反対派の1人が、一曲めで描かれたものではない、理想の都市を思い浮かべ、想いを馳せながら、現状に嘆きながら死に行く様を描きました。

初めて10分超えの曲を作りました。次は20分超えとかやりたいなあ。



てな訳で、「多数派の声ばかりが取り入れられる理不尽さ」や、「争いは何も生まない」こと、「他人と共存して行く事の難しさ」を念頭に置いて製作しました。


今回は、だいぶポストメタル感を増させることが出来たと思うし、今までで一番纏まりのある作品になったと思います。

また、原点回帰と称して、全曲インストにしました。



次回の新譜は、俺以外のメンバーが曲作りを担当する予定です。お楽しみに。では。